とばり)” の例文
四郎は閻の手をとってとばりの中へ入っていった。閻はその手からのがれようとしたがのがれることができなかった。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
そのあかい色が美しいので衣桁いこうの上にかけて置くと、夜ふけて彼が眠ろうとするときに、ひとりの美しい女がとばりをかかげて内を窺っているらしいので、周はおどろいてとがめると、女は低い声で答えた。
その頼みの言葉のおわらないうちに、珊瑚がとばりの中から出て来た。大成はひどくじて、黙って出て帰ろうとした。珊瑚は両手をひろげて出口にたちふさがった。
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)