巨獣きょじゅう)” の例文
旧字:巨獸
彼は七つの金魚池の青いゆがみの型を、太古の巨獣きょじゅうの足跡のように感じ、ぼんやりとその地上の美しい斑点に見とれていた。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
一行が沼のほとりをたどってゆくと、とつぜん一個の巨獣きょじゅうが、がさがさと音をたてて、灌木林かんぼくばやしのなかへ身をひそめた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
口笛を吹いて、せっかくおとなしくしている恐竜をよび、巨獣きょじゅうどもを怒らせてはたいへんだ。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
指さすかなたを注視ちゅうしすれば、おいしげる灌木林かんぼくりんをおしわけて、一個のぞうのような巨獣きょじゅうがすすんでくる。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
仔蠅にしては、何という大きな巨獣きょじゅう(?)になったのであろうか。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
とたんに、かれらは前面の森から殺奔さっぽんしくる、一個の巨獣きょじゅうを見た。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「あの巨獣きょじゅうは、おとなしいだけに、いったん怒らせると、ものすごくあばれるんだ。これはぐずぐずしていると、とばっちりが、こっちへまわってくるぞ。おう、みんな。今のうちに安全なところへ避難ひなんするんだ」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)