その年の七月、かの川上音二郎かわかみおとじろう君が私をたずねて来て、新たに革新興行の旗揚げをするに就いて、維新当時の史劇を書いてくれと云った。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
とかくして滞在中川上音二郎かわかみおとじろう一行いっこう、岡山市柳川座やながわざに乗り込み、大阪事件を芝居に仕組みて開場のはずなれば、是非見物し給われとの事に、厚意こうい黙止もだしがたく、一日両親を伴いて行き見るに
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
彼女の過去は亡夫川上音二郎かわかみおとじろうと共にめた辛酸であった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
その中で、川上音二郎かわかみおとじろうはおなじく茅ヶ崎に別荘をかまえている関係から、団十郎の別荘に毎日詰めきりで、市川家一門の人々も感激するほどに尽力した。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
三 川上音二郎かわかみおとじろう
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
ここではただ、それが角藤定憲すどうさだのりという自由党の一壮士によって大阪に創められて、さらに川上音二郎かわかみおとじろうによって東京に輸入されたということだけを註して置きたい。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
二十八年の五月、川上音二郎かわかみおとじろうの一座が歌舞伎座に出勤することになって、それが劇界の一問題となった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)