屠蘇機嫌とそきげん)” の例文
以上は新春の屠蘇機嫌とそきげんからいささか脱線したような気味ではあるが、昨年中頻発した天災を想うにつけても
新春偶語 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
年増としまの福太郎と春次は銀子と連れ立ち、出の着附けで相撲すもうの娘の小福を初め三人のおしゃくと、相前後して座敷に現われ、よそ座敷に約束のある芸者も、やがて屠蘇機嫌とそきげんで次ぎ次ぎにそろ
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
江戸の街はまだ屠蘇機嫌とそきげんで、妙にソワソワした正月の四日、平次は回礼も一段落になった安らかな心持を、そのまま陽溜ひだまりに持って来て、ガラッ八の八五郎を相手に無駄話をしていると