小身者しょうしんもの)” の例文
何故かと申しますと、赤穂一藩に人も多い中で、御覧の通りここに居りまするものは、皆小身者しょうしんものばかりでございます。
或日の大石内蔵助 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
四十俵高の小身者しょうしんものと、自分の生れと比較して、優越感にひたらざるを得ないのも、この人の性根であります。
年少すでに童色どうしょくを談じ、小身者しょうしんものはよく猥褻わいせつをささやくので、それと語るのを歓び、歌舞伎のまねをしていつのまにか三味線を覚えたり、また、鷹野たかのにでも行く時は
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もともと悪意でないことは判っていたが、供の又蔵は主人を突き倒されたのと、相手が小身者しょうしんものの子供であるという軽侮とで、その子供の襟髪を引っ掴んでいきなりぽかりぽかりなぐりつけた。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)