私は三度まで足がたなくなつて、三度目に立たなくなつた足が今は恢復くわいふくの望みもなくなつてゐる。起たなくなつてはち、起たなくなつては起ちしたひま/\に、尋常小學じんじやうせうがく四年の課程も踏んだ。
筑波ねのほとり (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)