尊卑分脈そんぴぶんみゃく)” の例文
国経くにつねには滋幹の外に三人の男子があって、尊卑分脈そんぴぶんみゃく所載の順序に従えば、長男が滋幹、次男が世光、三男が忠幹、四男が保命となっている。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
尊卑分脈そんぴぶんみゃく」に一条行房の妹とあるが、明確ではないのである。けれど義貞にかぎらず、武将の閨房にも、当然いろんな秘事はあったはずと観ていいと思う。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
尊卑分脈そんぴぶんみゃくの「大江氏系図」によると、大江広元の子季光以後、愛甲郡毛利に住み、ほどなく越後南条の領国へ移って行き、経光、時親、と代をかさねている。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家々の面目として序列を誇り“尊卑分脈そんぴぶんみゃく系図”にさえそれが注記されたほどだったから、この日、天龍寺落慶式らっけいしきに、尊氏と直義の車に附随して行った諸大名も、みな列をかざり身を粧い
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)