定遍じょうへん)” の例文
鬼火の姥と範覚とは、定遍じょうへんの附けた討手うってと共に、そうして戸野の大弥太と共に、十津川へ入り込んで来たのであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
切目きりめ宿しゅく別当べっとうの御別院にて、別当定遍じょうへんどのの代表と称せられる法橋殿ほっきょうどのにお目にかかり、御当家よりの要旨を申し入れ、まずは懇談だけはとげて、たちかえりましてござりまする
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
定遍じょうへん殿より附けられた勢が、三十人あまり街道脇に、わしの合図を待っておる。……宮様いかにご勇猛でも、同勢わずか十人じゃ、御首級みしるしいただくにわけはない」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「熊野の定遍じょうへんから密使が参り、大塔宮様を討ってとるようにと、兄上へご慫慂なされました時、兄上におかれましては一も二もなく、お断わりなされましてござりますな」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)