宗教をしへ)” の例文
昔者とは言ひ乍ら、書生の談話はなしも解つて、よく種々いろ/\なことを知つて居た。時々宗教をしへの話なぞも持出した。奥様はまた十二月二十七日の御週忌の光景ありさまを語り聞かせた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
まあ、宗教をしへの方の情熱が籠るとは見えない迄も、何となく人の心をひきつける樸実まじめなところがあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼程あれほど学問もあり、弁才もあり、何一つ備はらないところの無い好い人で、こと宗教をしへの方の修行もして居ながら、それでまだ迷が出るといふのは、君、奈何どういふ訳だらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)