妓夫ぎゆう)” の例文
三人が品川の宿しゅくへはいると、往来で三十前後の男に逢った。それが女郎屋の妓夫ぎゆうであることは一見して知られた。彼は熊蔵に挨拶した。
半七捕物帳:52 妖狐伝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
暖簾外の女郎屋は表口の燈火を消しているので、妓夫ぎゆうの声も女の声も、歩み過る客の足音と共に途絶とだえたまま、廓中は寝静ってタキシの響も聞えない。
草紅葉 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
不寝番ねずのばん妓夫ぎゆうがいて、下駄を出し、門口の戸を細目に開けて呉れる、下駄を履いて、出ようとすると、女が後から来て、半分出かけた俺の背中を、それもその皿鉢の真上を、三つ続けて、とん、とん
幽霊の自筆 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
お紺はよんどころなく商売をやめて、そこらを流れ渡っているうちに、吉原の或る女郎屋の妓夫ぎゆうと一緒になって、よし原の堤下どてした孔雀長屋くじゃくながやに世帯を持つことになった。
半七捕物帳:23 鬼娘 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
女郎屋の妓夫ぎゆうなどを相手に、小博奕などを打っている男であることが判った。
半七捕物帳:51 大森の鶏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)