女色じょしょく)” の例文
しかし允成は謹厳な人で、女色じょしょくなどは顧みなかった。最初の妻田中氏は寛政元年八月二十二日にめとったが、これには子がなくて、翌年四月十三日に亡くなった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
丁度この話の出来事のあった時、いつも女に追い掛けられているポルジイが、珍らしく自分の方から女に懸想けそうしていた。女色じょしょくの趣味は生来かいしている。これは遺伝である。
即ち唐の玄宗皇帝が女色じょしょくを愛するの極、美人と国替くにがえに往こうとする、それを歌ったのである。本来人間の欲情多き中にも、この最も強烈なるは子孫の繁殖に越したものは無い。
現代の婦人に告ぐ (新字新仮名) / 大隈重信(著)
女色じょしょくに淡い彼ではあったが、不思議と心をそそられた。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)