女男めお)” の例文
捕えられた同志の命にかかわる、大切至極の宥免状を入れた、女男めおの人形を正体不明の、梶子などという女に横取りされた。
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
海士あまみのきる時雨かな、潮のしぶきは浴びながら、夜露やいとう、ともの優しく、よろけた松に小綱を控え、女男めおの波の姿に拡げて、すらすらと乾した網を敷寝に、みよしの口がすやすやと、見果てぬ夢の岩枕。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女男めおのはらから達。いざ、今く行かむ。
……ほほうそれでは梶子殿には、松浦という若い武士と、女男めおの人形とやらを警護して一緒に旅するというのだね。
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
三尺大の女男めおの人形が、精巧を極めた細工の下に、活けるがように作られたのが、箱一杯に現われた。
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)