女房かゝ)” の例文
情無い此我はよと、羨ましいがつひかうじて女房かゝにも口きかず泣きながら寐ました其夜の事、五重塔をきさま作れ今直つくれと怖しい人に吩咐いひつけられ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
折角丹誠に丹誠凝らして、定めし冷て寒からうに御寝みなされと親切で為て呉るゝ女房かゝの世話までを、黙つて居よ余計なと叱り飛ばして夜の眼も合さず、工夫に工夫を積み重ね
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
なんと愛想も義理も知らな過ぎるではありませんか、銭が無ければ女房かゝの一枚着を曲げ込んでも交際つきあひは交際で立てるが朋友ともだちづく、それも解らない白痴たはけの癖に段〻親方の恩を被て
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)