天然自然てんねんしぜん)” の例文
「なに聴こうと思って聴いた訳でもないがね。まあ天然自然てんねんしぜん耳へ入ったようなものだ。何しろしゃべる人がお秀さんで、しゃべらせる人が先生だからな」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
蛙というものは、天然自然てんねんしぜん細工物さいくものとして、これはたいしたものです。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
切開せっかいです。切開して穴と腸といっしょにしてしまうんです。すると天然自然てんねんしぜんかれためんの両側が癒着ゆちゃくして来ますから、まあ本式に癒るようになるんです」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
余自身の歴史が天然自然てんねんしぜんに何の苦もなく今日まで発展して来たと同様に、明治の歴史もまた尋常じんじょう正当に四十何年をかさねて今日まで進んで来たとしか思われない。