大鋸屑おがくず)” の例文
小屋の横に、おおきな材木が枕木に横たわっているし、辺りに大鋸屑おがくずが積もっているなどから見ても、これは木挽こびき職人の寝小屋らしかった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、食料品販売所コンムナールでは、床にまいた大鋸屑おがくずを靴にくっつけて歩道までよごす節季買物の男女の出入が絶えない。
赤い貨車 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「木挽小屋に五年もいたんだから、大鋸屑おがくずの香がするなんて言われると困る」
合縁奇縁 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
靴の底を擦って皆が一歩一歩動いている石張床は、今に雪が降るようになると辷ってころばないために、入口の段々のところからずっと大鋸屑おがくずをまかれる。
広場 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)