大谷おほたに)” の例文
お婆さんが先に帰つて、私があとで店をしまつて帰るのでしたがね、大谷おほたにさんと云ふお墓のいつばいある山を通るのですから、恐くつてねえ。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
大谷おほたに河内かうちなどいふ山村を、西岸に見たが、未だ人の町へは遠い、川水は肩で呼吸をするやうに、ゴホゴホと咳きあげて、大泊門おほせと急灘きふたんにかゝる、峡谷は一層に狭くなり、波の山が紫陽花のやうに
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)