大見世おおみせ)” の例文
茶屋から大見世おおみせへ送られる身分というわけじゃあなし、岡場所か、銭見世ぜにみせが関の山なんだけれど、それもこのごろの懐ろ工合じゃ覚束おぼつかねえや、こうして吉原の真中へ入り込んで
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
当時売女の相場、新吉原なかちょう角海老かどえび筋向すじむかいあたりにありし絵草紙屋えぞうしやにて売る活版の細見記を見ても、大見世おおみせの女の揚代あげだい金壱円弐拾銭にて、これより以上のものはなかりし。以て一般を推すべし。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)