大蔵卿おおくらきょう)” の例文
大将この時分は何をしていたんだろうと、読めそうにないところを無理によむと大蔵卿おおくらきょうとある。なるほどえらいものだ、いくら逆か立ちしても大蔵卿である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
上で二つに分けて耳の所で輪にした童形の礼髪を結った源氏の顔つき、少年の美、これを永久に保存しておくことが不可能なのであろうかと惜しまれた。理髪の役は大蔵卿おおくらきょうである。
源氏物語:01 桐壺 (新字新仮名) / 紫式部(著)
播磨屋はりまやさんの大蔵卿おおくらきょう、大変にいいんですとさ。」
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
三日目の夜は大蔵卿おおくらきょうを初めとして、女二の宮の後見に帝のあてておいでになる人々、宮付きの役人に仰せがあって、右大将の前駆の人たち、随身、車役、舎人とねりにまで纏頭てんとうを賜わった。
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
わずかに女御と腹違いの兄弟が大蔵卿おおくらきょう、修理大夫だゆうなどでいるだけであったから
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)