大盗人おおぬすびと)” の例文
旧字:大盜人
そうして暴風に逢って、竜にあやまりながら、半死半生のていで帰ってくる。「かぐや姫てふ大盗人おおぬすびとのやつが、人を殺さんとするなりけり」
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
何か楽に暮らしてゆけるみちはないかと考えていますと、むかし石川五右衛門いしかわごえもんという大盗人おおぬすびとがいたということを聞いて、自分も五右衛門という名前だから
泥坊 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「お前はもう甚内では無い。阿媽港甚内はこの首なのだ、あの天下に噂の高い、日本にっぽん第一の大盗人おおぬすびとは!」(笑う)ああ、わたしは愉快です。このくらい愉快に思った事は、一生にただ一度です。
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)