大楠おおくすのき)” の例文
見ると、咲耶子さくやこがただひとり、社前しゃぜん大楠おおくすのき切株きりかぶにつっ立ち、例の横笛を口にあてて、もさわやかに吹いているのだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かの槍を持たせて講武所から聖堂の方へ別れた乗物は、疑いもなく高橋伊勢守で、高橋の邸は牛込神楽坂かぐらざかで、邸内には名代なだい大楠おおくすのきがあって俗に楠のお屋敷という、それへ帰るものに相違ないのです。