大枝おおえ)” の例文
大枝おおえ越え丹波路”の道標みちしるべが見え、振返れば、さっき別れてきた大淀の流れも、にぶい銀の延べ板みたいに暮れ残っている。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
焔々えんえん、馬も人も、そのあえぎに燃えてゆく。大枝おおえの山間をめぐりまた降って、淙々そうそうと聞く渓流のすぐ向うに、松尾山の山腹が壁のように迫って見えたときである。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)