大晦おほつごもり)” の例文
それの年の大晦おほつごもりに常三郎の心疾がおこつて、母益は慰撫のために琴を弾じて夜闌やらんに及んだことさへあるさうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
父榛軒は数日来感冒のために引き籠つてゐて、大晦おほつごもりを寝て暮した。そこへ石川貞白が訪ねて来たが、其云為うんゐには周章のさまが著かつた。そして榛軒に窮を救はむことを請うた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)