大千だいせん)” の例文
十万年に一度あらわるる怖ろしい化生けしょうの者じゃ。この天竺の仏法をほろぼして、大千だいせん世界を魔界の暗闇におとそうとくわだつる悪魔の精じゃ。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
往昔入貢そのかみにゅうこう高麗船こまぶねが遠くから渡ってくるときには、あんなに見えたであろう。そのほかは大千だいせん世界をきわめて、照らす日の世、照らさるる海の世のみである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)