大下馬おほげば)” の例文
剪燈新話せんとうしんわ」を飜案した浅井了意れういの「御伽婢子おとぎばふこ」は寛文くわんぶん六年の上梓じやうしである。爾来じらいかう云ふ怪談小説は寛政頃まで流行してゐた。たとへば西鶴の「大下馬おほげば」などもこの流行の生んだ作品である。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
(五) これは畢竟ひつきやう余論である。志賀直哉氏の「子を盗む話」は西鶴の「子供地蔵」(大下馬おほげば)を思はせ易い。が、更に「はんの犯罪」はモオパスサンの「ラルテイスト」(?)を思はせるであらう。