変遷うつりかはり)” の例文
旧字:變遷
姑と一緒に、お妻もた門口に出て、客の後姿を見送るといふ様子。今更のやうに丑松は自他われひと変遷うつりかはりを考へて、塚窪の坂を上つて行つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
御老人、貴所あなたの様に、長い目で御覧になりましたならば、世の変遷うつりかはりく御見えになりませうが、て自分一身を
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
同窓の記憶はいつまでも若く青々として居る。銀之助は丑松のことを思ふ度に昔を思出して、何となく時の変遷うつりかはりを忍ばずには居られなかつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
丑松の身に取つては一生の変遷うつりかはりの始つた時代で——もつとも、人の境遇によつては何時変つたといふことも無しに
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)