墓碑銘ぼひめい)” の例文
それから十九年の後パリの墓地に葬られたショパンの遺骸いがいに振りかけられ、墓碑銘ぼひめいに「彼はパリに葬られたれども、ポーランドの土に眠る」
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
迷亭は笑いながら「まあその墓碑銘ぼひめいと云う奴を見せ給え」と原稿を取り上げて「何だ……空間に生れ、空間をきわめ、空間に死す。空たり間たり天然居士ああ」と大きな声で読みあげる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
われら同志の撰びたる墓碑銘ぼひめいは左の如し
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
天然居士てんねんこじ墓碑銘ぼひめいならもう二三遍拝聴したよ」「まあ、だまっていなさい。東風さん、これは決して得意のものではありませんが、ほんの座興ですから聴いて下さい」「是非伺がいましょう」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)