土手道どてみち)” の例文
その喧しい響は土手道どてみちからだつた。馬が來るのだ。曲りくねつた小徑は、まだ馬を隱してゐたが、近づいて來た。私はちやうど段々を離れようとしてゐた。
私はやがて小さな木橋を渡った。それからその土手道どてみちは、こんどは今までとは反対の側を、その流れに沿うて行くのであった。さて、その土手道へ差しかかろうとした途端、私はふと立ち止まった。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)