唐偏木とうへんぼく)” の例文
そのついでにどうかいたしますと、『君なぞは女で苦労したこともない唐偏木とうへんぼくだから女のありがた味を知らないのだ』
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
瑜瑕ゆか並びおおわざる赤裸々の沼南のありのままを正直に語るのは、沼南を唐偏木とうへんぼくのピューリタンとして偶像扱いするよりも苔下の沼南は微笑を含んでかえって満足するであろう。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
見損なやアがったか間抜野郎と云うと、剣術遣いが、おや畜生ちくしょうなんだ此の唐偏木とうへんぼくめ、貧乏をしているから助けて遣ろうというのだ、生意気な事をぬかしゃアがるなと云うので打合たゝきあいが始まる
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)