和漢三才図会わかんさんさいずえ』は一説を立て、元来は「衰」という字であったのを後人が艸を加えて「蓑」となしたのだという。「衰」は古語である。
蓑のこと (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
和漢三才図会わかんさんさいずえ』に搗杵つきぎね、カチキネなどと呼んでいる現在の杵は、そう昔からあったものでなく、多分はカラウスと前後して共に外から学んだかと思うが、そうでないまでも元の用法は
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
都会の小児などは月中のうさぎの絵か、そうでなければ家のもんに、杵と称して横に柄をつけぬものを見るくらいになっているが、是は一言でいうと『和漢三才図会わかんさんさいずえ』時代以後、二百年足らずの間の変遷で
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ちなみにいう。「胴乱」という字は何かの当字であろう。『和漢三才図会わかんさんさいずえ』にも「止宇羅牟、正字未考」といってある。あるいは「銃卵じゅうらん」より来るのではないかといわれる。元来銃丸の袋であったという)
樺細工の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)