“呉須(ごす)” の例文
ただ不便なのは食事だが、これもいつか当座だけの用意を求めてきたらしく、呉須(ごす)の急須(きゅうす)に茶を入れて、栗饅頭(くりまんじゅう)まで添えたのが、読み本の側においてある。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この呉須(ごす)の吹きかけの湯のみは十年前(まへ)に買つたものである。「われ筆とることを憂しとなす」——さう云ふ歎きを知つたのは爾来(じらい)何年の後(のち)であらう。湯のみにはとうに罅(ひび)が入つてゐる。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)