吾嬬あづま)” の例文
又してもこの部屋であの態度を見たらどうだろうなどと思われる。脱ぎ棄てた吾嬬あづまコオト、その上に置いてあるマッフまでが、さながら目に見えるようになるのである。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ここにすなはちそののこりのひるの片端もちて、待ち打ちたまへば、その目にあたりて、打ち殺しつ。かれその坂に登り立ちて、三たび歎かして詔りたまひしく、「吾嬬あづまはや」と詔りたまひき。