吾儘者わがままもの)” の例文
十一人の子供を育て、恐ろしい吾儘者わがままものの良人に仕えて、しっかり家をおさえて行く婦人の尋常の婦人であるまいと云う事は、葛城家の偽使者も久しく想う処であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「シベリアから雪と氷とが追放されたことは、誰もが認めているじゃないか。それで約束の取引は立派にんでいる。あとの言い分は贅沢ぜいたくというもんだ。吾儘者わがままものめが!」
与右衛門さんは、村内そんないっての吾儘者わがままもの剛慾者ごうよくものとしてのけものにさるゝ男である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
わしの名か? 「片眼のいわ」と云やァ、ちっとは人に知られた吾儘者わがままものだなア。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)