吩咐いいつか)” の例文
母から吩咐いいつかって来た包みを解き、中から重箱に入れた麦の打菓子うちがしと、関の観音の守護袋まもりぶくろとを添えて
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝飯あさめしを済せて伯父さんの先生の出勤を見送って了うと、学校は午後だから、其迄は身体に一寸ちょっとすきが出来る。其暇そのひまに自分の勉強をするのだが、其さえ時々急ぎの謄写物とうしゃものなど吩咐いいつかって全潰まるつぶれになる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)