合鍵あひかぎ)” の例文
ロチスター氏の合鍵あひかぎで開けられた低い、黒いドアは、大きな寢臺ベッドと飾箪笥のある、壁布の掛つた室に我々を導き入れた。
信太郎から祕密を聞いた權次は、合鍵あひかぎで土藏に忍び込み、一度は小判を盜み出しましたが、二度目には村右衞門に見附けられて斬られてしまひました。
それから盗賊は、合鍵あひかぎをださせて、泊り客のへやを順々におそひ、みんな縛りあげて、お金を奪ひ取りました。
エミリアンの旅 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
さういつてをばさんは、二人の部屋の合鍵あひかぎを、別別に出してくれました。清三の鍵には「二十七番」、睦子の鍵には「三十一番」といふ、小さな番号札がついてゐました。
母子ホームの子供たち (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
當屋敷に巣喰ふ惡者が、合鍵あひかぎを作つて用箪笥を開き二品を盜んで土藏の中の奧方の御厨子おづしに隱したので御座います。