反対あちこち)” の例文
旧字:反對
「いいえ、違うよ。私のはまた全く芳さんの姉さんとは反対あちこちで、あんまり深切にされるから、もう嫌で、嫌で、ならないんだわ。」
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
本来なら、こりゃお前さんがたが、客へお世辞せじに云う事だったね。誰かにていらっしゃるなぞと思わせぶりを……ちと反対あちこちだったね。言いました。ああ、肖ている、肖ているッて。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は一向、そんな方はぞんざいだったが、この勝山さんもらおうとした時、親類が悪い風説うわさを聞いたとか言って、愚図々々ぐずぐず面倒だから、今の、山河内のを入れたんだが、身分が反対あちこちだとよかった。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)