南鄭なんてい)” の例文
その後、敵状を探るに、さしもの曹操も、予想外な損害に、すぐ立ち直ることもできず、遠く南鄭なんていの辺りまで退陣して
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「楊松のいったとおりだ」と、いよいよ楊松を信頼して、何事も彼にはかったが、もう南鄭なんていも落城し、漢中市街は、曹軍の鉄環てっかんにつつまれんとしていた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
漢中の定軍山はすなわち南鄭なんていの要害、敵の兵站へいたん基地である。もしこの山を奪わば陽平の一道は、心にかかるところなし、汝らゆきて、これを攻略すべきか、如何
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むかし太祖武祖ぶそ(曹操のこと)が張魯ちょうろを平げたもう折、群臣をいましめられて、——南鄭なんていの地は天獄たり、斜谷やこくは五百里の石穴せっけつ、武を用うる地にあらず——と仰せられたお言葉があります。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「有難い。さらば南鄭なんていせかけよう」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)