半夏はんげ)” の例文
奧州の南部には、字の讀めない者に讀ませるやうに、——繪で書いた暦がある。——禿頭はげあたまに濁りを打つて半夏はんげと讀ませる——と言つたやうな話を
硫黄いおうか懐中付木つけぎをふところにして乗ると船に酔わないというが、ひどく船酔いした時には、半夏はんげ陳皮ちんぴ茯苓ふくりょうの三味を合せて呑ませるさ、だが、そんな物のない場合が多いから、しかる時には
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
禿頭はげあたまに濁りを打って半夏はんげと読ませる——と言ったような話を思い出して、俺はさっそく麻布あざぶの南部様御屋敷へ出かけたのさ