匿名かくしな)” の例文
常磐ときわというのは全く松蔭の匿名かくしなで大藏の家来有助が頼まれて尾久在おうございへ持ってまいるとまでは調べました、またそれに千早殿としたゝめてあるのは、頓と分りませんが
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
よし匿名かくしななりとも、このに感じは変るまじ。今日まで封じを解かざりしは、我れながら心強しと誇りたるあさはかさよ。胸のなやみに射る矢のおそろしく、思へば卑怯ひきよう振舞ふるまひなりし。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
中田千早なかだちはや様へ常磐ときわよりと……常磐の二字は松蔭の匿名かくしなに相違ないが、千早と云うが分らん、の下男を
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)