刈入かりい)” の例文
刈入かりいれをしている田の人影へどなってみた。附近の百姓たちは皆、彼のすがたを見ると、悲しげに首を振った。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秋の刈入かりいれがすんで、手伝てつだい仕事がなくなると、村のひとたちはだれも清造にこういうのでした。清造はそれを聞くとかなしくなって、沼のふちへ来ていていました。
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
錦小路にしきこうじさま(直義)へ、一切の権をおゆだねあるなどは、ちと早計ではござりますまいか。天下の耕地は、刈入かりいれどころか、まだまだ、青田にもなっておりません。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)