出石イヅシ)” の例文
出石イヅシ人の一人で国の名を負うたたぢまもりの、時じくのカグ木実コノミを取り来よとの仰せで渡つたのは、橘実るハヽが国なる南の支那であつた。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
けれども、此出石イヅシ人の物語も、一種のりつぷゔあんゐんくる式の要素を備へてゐて、常世特有の空想の衣がかゝつてゐる。
さて又、あめのひぼこのもたらした八種ヤクサの神宝を惜しみ護つた出石イヅシ人のハヽが国は、新羅ではなくて、南方支那であつたことは、今では、討論が終結した。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
出石イヅシびとの祖先の一人たるたぢまもりが「時じくのカグ木実コノミ」を採りに行つたと伝へる常世の国は、大体南方支那に故土を持つた人々の記憶の復活したものと見る事が出来る。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
出石イヅシ人の為の妣が国は、大和人には常世の国と感ぜられて居たのである。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)