大牢ろうのあった方のみぞを埋めて、その側の表に面した方へ、新高野山大安楽寺こうぼうさま身延山久遠寺にちれんさまと、村雲別院むらくもさまと、円光大師寺えんこうだいしさまの四ツの寺院おてら建立こんりゅうし、以前もとの表門の口が憲兵屯所とんしょで、ぐるりをとりまいたが
旧聞日本橋:17 牢屋の原 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)