八千丸やちまる)” の例文
岩倉少将(具定ともさだ)、同八千丸やちまる具経ともつね)の兄弟きょうだい公達きんだちが父の名代みょうだいという格で、正副の総督として東山道方面に向かうこととなったのである。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
副総督の八千丸やちまるも兄の公子に負けてはいないというふうで、赤地の錦の装束に太刀たちを帯び、馬にまたがって行ったが、これは初陣ういじんというところを通り越して、いじらしいくらいであった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)