偽盲にせめくら)” の例文
お蝶は舌を巻いて、暗いところから弁信のおもてを見直しました。それは、もしや、この按摩が偽盲にせめくらで、そっと目をあいているからではないかと思ったからです。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
場所は、首部こうべの間道で、偽盲にせめくらの捕まったときよりも、時刻はだいぶ後であったが。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるいは偽盲にせめくらで実は盗賊のたぐいではないかなどと平助は疑った。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この山伏は、光秀の発した密使ではないが、さきの偽盲にせめくらは、いうまでもなく明智の士雑賀さいがろうであった。光秀から毛利輝元へあてた一書を受け、二日の早朝、京都から立って来た者だ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「こいつ、偽盲にせめくらだ」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)