いわゆる倶梨伽羅紋々くりからもんもんふうのものもあったが、そのほかにまたたとえば天狗てんぐの面やおかめの面やさいころや
蒸発皿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
今日残っている倶梨伽羅紋々くりからもんもんという言葉は、三代目中村歌右衛門が江戸に下って、両腕一パイに文身を描いて、倶梨伽羅太郎を演じてから起ったことだと言われております。
深川浜のはまぐり町からくる、倶梨伽羅紋々くりからもんもんで、チョンまげにゆっているというと威勢がいいが、七十五歳のおじいさん江戸ッ子の小魚売は、やせても昔の型を追って、寒中でも素体に半纏はんてん一枚、空脛からずね