信貴山縁起しぎさんえんぎ)” の例文
それから信貴山縁起しぎさんえんぎ、ようがす、それから、それだけですか、なにおよろしければいくらでも出しますよ。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
身につけるものではないが、例えばマイヨオルの彫刻はせいぜい銅か土のかたまりであり、「信貴山縁起しぎさんえんぎ」は一巻の長い紙であり、名工の茶匙ちゃさじは一片の竹であるに過ぎない。
が、私が虫の垂衣云々うんぬんの事を書いたのは、「信貴山縁起しぎさんえんぎ」「粉河寺縁起こかはでらえんぎ」なぞの画巻物ゑまきものによつてゐたのである。だからさう云ふ注意を受けても、剛情がうじやうに自説を改めなかつた。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)