侍女かしずき)” の例文
すると、その人たちのあいだから、侍女かしずきに手つだわせて、見事な衣裳や女の道具を、惜し気もなく、焔のうちへ投げ込む者があった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「会わせろ、禅閤がどうしても会えないならば、姫に会おう、俺が何で来たかは、姫に話してやる、まず、侍女かしずき万野までのという女を出せ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「今日はどんな様子じゃな」と、まず声をひそめて、薬湯くすりのにおいの中にしんとしてかしこまっている侍女かしずきのものに訊くのが例であった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大塔ノ宮の侍女かしずき南ノ御方が、宮のおかたみなどをたずさえて、病後のやつれもまだえぬ身でやっと都へたどりついてきた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おなじ尊氏の子でありながら、しかも不知哉丸は長子であるのに、事々に、周囲の老臣や侍女かしずき
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お供の大女臈おおじょろう小女臈こじょろう侍女かしずき、すべて蒔絵轅まきえながえの美しい小輿こごしであった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)