佞奸邪智ねいかんじゃち)” の例文
何をつてゐても如何にも小心な他人の気持ばかりをうかがつてゐるやうな佞奸邪智ねいかんじゃちと云つた感じを強く与へます。
サニンの態度 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
そして宮津の京極から剣道試合の申込みを受けた顛末てんまつ、それに当る達人のいない当惑を物語った上、この動機はあるいは佞奸邪智ねいかんじゃちの大月玄蕃が如意輪寺の不覚を報讐する底意で
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勇三郎様は佞奸邪智ねいかんじゃちで、おいの鶴松君まで毒害した。それを知って園山の家督に直しては、用人の私が御祖先に相済まぬ、——長い事は言わぬ、たった一年、いやひと月待ってくれ。