余処わき)” の例文
旧字:餘處
身体は自家にいながら、魂魄こころは宙に迷うていた。お宮を遊びに来さす為には家を変りたいと思ったが、お前のこと、過去これまでのことを思えば、無惨むざと、此処を余処わきへ行く事も出来ない。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「なら可い、君に聞かんでも余処わきで聞くよ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)