何町なんちょう)” の例文
沛然はいぜんとして金銀の色に落ちて来た、と同時に例の嫁入よめいり行列の影は何町なんちょうったか、姿は一団の霧に隠れてらにすかすも見えない。
菜の花物語 (新字新仮名) / 児玉花外(著)
右へ折れたり左へ折れたり稲妻いなずまのように歩いて、段々を——さあ何町なんちょう降りたか分らない。始めての道ではあるし、ことに暗いあなの中の事であるから自分には非常に長く思われた。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)