佐伯さいき)” の例文
自分が最も熱心にウォーズウォルスを読んだのは豊後ぶんご佐伯さいきにいた時分である。自分は田舎いなか教師としてこの所に一年間滞在していた。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
佐伯さいきの子弟が語学の師を桂港かつらみなとの波止場に送りし年も暮れて翌年一月の末、ある日源叔父は所用ありて昼前より城下に出でたり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
みやこより一人の年若き教師下りきたりて佐伯さいきの子弟に語学教うることほとんど一年、秋の中ごろ来たりて夏の中ごろ去りぬ。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
紀州は同じく紀州なり、町のものよりは佐伯さいき附属の品としらるること前のごとく、墓より脱け出でし人のようにこの古城市の夜半よわにさまようこと前のごとし。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)